彩都山口

室町時代の
山口を知る。

2021 Volume.13

巻頭特集

大内義隆の遷都計画
― もうひとつの戦国時代 ―

現在の山口のまちは、室町時代に西日本の有力大名であった大内氏が行ったまちづくりが基礎になったといわれています。現在の山口県を中心に九州北部から中国地方西部にかけて支配していた大内氏は、地方政治だけでなく幕府の政局にもたびたび関与し、室町時代の政治史にその名を残しています。また、朝鮮通交や日明貿易など東アジア諸国との交易を通じて、国外にもその名が知られていました。

トーマス・D・コンラン氏

トーマス・D・コンラン氏

Thomas D.Conlan

米国プリンストン大学教授(東アジア史)。10〜16世紀の日本における戦争や儀式の実態、政策意思決定のあり方や理念、社会構造について研究している。現在15・16世紀における宗教と政治の役割と同時代の中心的存在であった西日本の大名大内氏について著書を執筆中。著書に『図解 戦国時代 武器・防具・戦術百科』(原書房)ほか多数

16世紀頃の山口

大内義隆が日本の都を京都から山口に移す「遷都計画」を練っていたとは、今までにない大胆な説ですね。

トーマス・D・コンラン氏:西日本の有力大名大内氏の本拠地だった16世紀前半の山口の繁栄ぶりを考えると、1551年の山口の政変を、文化に重きを置き武を軽んじた義隆の弱さによってもたらされたという今までの通説には無理があると私に思えたのです。私には、この政変は大内氏の強さを恐れたために仕組まれた「クーデター」と考える方が自然だったのです。

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  • 大殿大路の大内氏館跡(龍福寺)

  • 龍福寺

特集2

大内文化を今も身近に
― 山口外郎と大内塗 ―

「ぷるん、雅な
 山口外郎(ういろう)

ぷるんとした柔らかな口当たりとほんのり甘い小豆の風味が魅力の「山口外郎」は、ここ山口にしかない銘菓です。

室町時代、大内氏の頃に山口に伝わったという「山口外郎」の歴史と美味しさのヒミツを老舗の外郎店主に教えていただきました。

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「守り伝え、未来につなげる
大内塗と大内人形」

山口が誇る伝統的工芸品「大内塗」。
室町時代をほのぼのと思い起こさせるお殿様とお姫様の一対の夫婦人形「大内人形」の革新など、古くからの伝統を受け継ぎつつ、未来を見据えた新たな取組に挑む「大内塗の今」をご紹介します。

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