現在の山口のまちは、室町時代に西日本の有力大名であった大内氏が行ったまちづくりが基礎になったといわれています。現在の山口県を中心に九州北部から中国地方西部にかけて支配していた大内氏は、地方政治だけでなく幕府の政局にもたびたび関与し、室町時代の政治史にその名を残しています。また、朝鮮通交や日明貿易など東アジア諸国との交易を通じて、国外にもその名が知られていました。
トーマス・D・コンラン氏
Thomas D.Conlan
米国プリンストン大学教授(東アジア史)。10〜16世紀の日本における戦争や儀式の実態、政策意思決定のあり方や理念、社会構造について研究している。現在15・16世紀における宗教と政治の役割と同時代の中心的存在であった西日本の大名大内氏について著書を執筆中。著書に『図解 戦国時代 武器・防具・戦術百科』(原書房)ほか多数