彩都山口

彩都山口 vol.6

人々が育てたイベントの灯が古都の夜を照らします。「山口ゆらめき回廊」

 秋の夜長、誰かと、そして自分自身と語り合いたくなったとき、山口には最高の舞台が用意されています。国宝・瑠璃光寺五重塔を取り囲むように約千個のキャンドルの灯りが揺れる「山口ゆらめき回廊」。あたりは幽玄な雰囲気に包まれます。

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キャンドルをともし、灯りを広げていく喜び 

 この夜間イベントが開催されるのは9月中旬の週末。午後6時になると、五重塔の立つ香山公園に並べられたキャンドルに、公募で集まった地元の点灯ボランティアが次々と火をともしていきます。十数人のボランティアたちは、いずれも柔らかな笑顔。一つ、また一つと自らの手で灯りを増やしていく喜びを、全身で味わっています。その様子を見ていた観光客が、思わず飛び入りで点灯に参加するシーンも…。キャンドルの揺れる炎は、たくさんの笑顔を照らし、心まで温めてくれます。皆と一緒に灯りの輪を広げていくひととき、人と人とのつながりも実感し、静かな感動が心を満たします。

 平成19年に「山口の夜を盛り上げよう」と始まったこの山口・秋のイベントは、今ではおなじみのものとなり、市外から楽しみに訪れる常連客も少なくありません。幻想的な光景をレンズに収めようと、早々と撮影位置を確保するアマチュアカメラマンの姿も見られます。

 とっぷり日が暮れると、ライトアップされた瑠璃光寺五重塔との競演もいよいよ最高潮に。コップに浮かんだロウソク一本一本のゆらめきが回廊となって五重塔の周辺を彩っていくさまは神秘的ですらあります。塔の前の満月の庭では、山口ゆかりのアーティストによるコンサートも開催され、気分はいちだんと高まります。園内の茶室でのゆらめきの灯り茶会も情緒たっぷり。

 山口の文化遺産や自然を静かに照らす灯りは、地元の人々の心にも似て、ほのかに温かく、優しいのです。

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    写真左:準備を手伝うボランティアの中には、子どもたちの姿も。
    平成25年からは地元のNPO法人大路小路まちひとづくりネットワークが運営に当たっている。
    写真右:夕闇がせまる中、キャンドル一つひとつに点灯していくボランティア。
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    瑠璃光寺本堂へと続く参道。雨の場合は本堂をコンサート会場として開放するなど、瑠璃光寺もイベントにとても協力的。

 

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  • 写真右:
    国宝・瑠璃光寺五重塔は、室町時代、26代大内盛見が兄・義弘の菩提を弔うために建立した。すっきりした塔身に檜皮葺の屋根がマッチした美しい塔は、日本三名塔に数え上げられている。

    写真左:
    同じ夜、近くの一の坂川では河原に約500本の竹灯籠を点灯するアートふるリバーナイトも開催されているので、ハシゴして楽しむのもおすすめ。

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